農園の取り組み
やまはた農園の取り組み
山梨県上野原市にある西原(さいはら)という山村で、
無農薬・ 無化学肥料の野菜づくりに取り組んでいます。
昔ながらの山村の暮らしに溢れる知恵や技、手仕事の中に
現代人が失いつつある、生きる力が秘められていると考え、
より多くの方とそれらに触れ、学び、受け継ぐことを目指しています。
ミッション
山の恵み、里の知恵がつくる豊かな暮らし
1.山の資源、里の知恵や技を活かした循環型農業をつくる
2.常に化石燃料に頼るのではなく、人の力、手仕事の技で、
豊かな暮らしをつくる
3.冬季(11月~4月)には、山仕事を通じて森づくりに取り組む。
1.こだわり
(1)畑
標高600m以上ある山村は、夏の夜は涼しく、冬の寒さは厳しく、
野菜づくりには適した環境です。
朝晩と日中の気温差が大きいため、野菜の味が良くなります。
夏は夜が涼しいため、作物も休むことができ、生育がよいです。
冬は、寒さから身を守るために、野菜が糖分を蓄えます。
そのため、とても甘い野菜が採れます。
(2)タネ
なるべく固定種の種で栽培し、積極的に自家採取しています。
(3)耕す
畑は積極的に耕しています。冬~春に一度、耕します。
夏~秋は、作物の生育状況に応じて、畝間を耕します。
(4)肥料
主に2種類の堆肥を使っています。
【植物性堆肥】山には落ち葉、萱などの草がたくさんあります。
それらを集めて堆肥にしています。
米ぬかを発酵させたぼかし肥料づくりにも取り組んでいます。
【動物性堆肥】地域で飼育されている馬や鶏の糞をもらい、
堆肥にしています。
ゆくゆくは自分で育てた動物の堆肥を使うことが目標です。
(5)収穫
野菜は鮮度が命。朝採り、前日夕方採り(冬季のみ)して、販売・発送しています。
2.人の力、手仕事
【人の力】
昔は大家族で一家にたくさんの人がいました。
そして、親戚や近所が助け合い農作業したり、
生活インフラの維持管理に取り組んできました。
ガソリンを使う機械も無い時代には、多くの人の協力と手作業が
とても大事でした。
ガソリンや機械を使い効率的に作業することも必要ですが、
人の力、協力により、
ものをつくることを大切にしたいものです。
【手仕事】
鍬一本で耕すおじい、おばあの手仕事に惚れ込んで、
山村で百姓をすることを始めました。
面積の小さい畑を効率良く使うためにも、鍬で畝立てをしたり、
土を寄せたりします。
鎌で草を刈ったり、収穫したりすることも、一見非効率ですが、一つ一つが小さい畑では鍬一本、鎌一本の手仕事が活きます。
3.山仕事・森づくり
美しい森が豊かな暮らしをつくると考え、
冬季に山林の手入れを行っています。
(1)用材、木材加工
木は建築用材であったり、家具や食器など、木材として使うことに一番の価値があります。
自分たちで切った木を、自分たちで加工して使うことを目指します。
(2)きのこ原木
用材として使えない木は、何でも薪にするのではなく、原木にして、きのこ栽培に取り組みます。
(3)薪作り
木は薪としての燃料にします。灯油に依存した暮らしから、薪を活かした暮らしをつくることを目指します。
(4)炭焼き
昔は炭焼きが貴重な現金収入源でした。
炭を焼く人はほとんど居なくなりましたが、
その文化や技術の継承に取り組んでいます。
炭は、薪よりも効率の良い燃料としての価値もあります。
また燃料以外の使い道も多くあり、炭を活かした暮らしづくりを目指します。